エスコフィエ『料理の手引き』翻訳作業協力者を募集します

当面のあいだ、この投稿をトップに表示させてください。

以下の文も先日FBに書いたものですが、あらためて自分のブログで公開します。


エスコフィエ『ル・ギード・キュリネール』英訳本の第5版にはヘストン・ブルメンタールが序文を寄せています。カバーには “We eat as we eat because of Escoffier” とあります。ヘストンはその序文で自らを “self-taught chef” だと言っています。フランス料理業界的な日本語だと「独学者」とか「オートディダクト」ですね。

その self-taught chef、日本で一般むけには「奇想天外な料理を作るシェフ」みたいに紹介されることも多いようですが、ものすごくいろんな店で食事をし、ものすごくたくさんの料理書を読んで、当然ながらそれらの料理書にあるレシピをいろいろ作ってみて、その結果として self-taught chef になったわけです。

その序文の中ですごくいいことを書いているので、一部だけ日本語に訳して引用させてもらいますと……

「シェフたちの中には、クラシカルな伝統なんて跳び越えて、エスコフィエのようないかにもな偉人を保守的で時代遅れなものだとディスりたい誘惑にかられる者もいる。こんなに的外れな考えはない。(略)素晴しい料理というものは伝統との訣別からではなく、伝統を新たな方向へ向けることから生まれる。革命 revolution よりも 進化 evolution の問題なんだ」 “Forword by Heston Blumenthal” in Escoffier, Le Guide Culinaire, 5th ed., Wiley, 2011.

あるシェフがメールで、日本のフランス料理は「風前の灯」だと書いていました。僕も先日、似たようなことをFBで書きました。べつにエスコフィエの時代のフランス料理を作り続ける必要なんてないし、そんなんじゃ商売にならないでしょう。わかっています。

エスコフィエはソースの章の冒頭で「何もなければ何も作れない」と書いています。これは基本的に「料理素材」についてのことだと解釈するのが妥当な部分ですが、知識についても同じことが言えるはずなんです。どんなに多種多様のいい食材があったって、それをどういうふうに料理すればいいか、昔のひとはどうしたのか、を知らなければ、自分がどうするのかを自信をもって考えられないでしょう。

ついでに言うと、『ル・ギード・キュリネール』というタイトルは「料理の手引き」であって、「フランス料理の手引き」じゃないんですよ。よく読むと、実は「フランス料理」の枠を越えてるんじゃないかと思われるところはけっこう出てきます。もっとも、『ル・ギード・キュリネール』を読んだフランスの料理人さんたちがそれを自分の料理に取り込んだ結果、いまやフランス料理になっているもの多数、ですけどね。

料理関係者の人たちが『ル・ギード・キュリネール』を読む「意義」はまさにこの点にあるんですけどね、なかなかわかってもらえないみたいです。

もちろん『ル・ギード・キュリネール』新訳は「やりかけた仕事」だから、今度こそ最後までやりとげるつもりですが、じつのところ僕自身にとって『ル・ギード・キュリネール』は何度も読んだ本のひとつに過ぎず、興味の対象としては、タイユヴァンや『ル・メナジエ・ド・パリ』、メートル・シカール、ランスロ・ド・カストー、バルトロメオ・サッキ(筆名プラティナ)のような中世〜ルネサンス期の料理書や、大カトからオリヴィエ・ド・セールに至るまでの古い農業書、あるいは『デカメロン』やアーサー王物語群、バルザックやラブレーの小説なんかと等価です。でも、『ル・ギード・キュリネール』は、料理書の中でズバ抜けて、何度も読むに耐える(値する)「古典」だと思っています。

『ル・ギード・キュリネール』以外にも訳したい料理書や文学作品はいろいろあります。まとめたい研究テーマもあります。果たしてどこまで出来るか。ひとりの人間にとって、仕事をやりとげるための時間はあまりに短かい。「天命」を知った時には既に遅し、にならないよう、『ル・ギード・キュリネール』の件はさっさと片付けようと思っています。

ただ、ひとりじゃどうにもならないというか、タイトルを『ル・ギード・キュリネール』とするか『料理の手引き』とするかだって決めかねているし……どういう形態でおおやけにするか(紙の本として出版できる可能性がないわけでもなさそうなんですが、その後返事がないのでよくわかりません)……料理人が「いま」「現場」で使ってい用語とのすり合わせ、誤訳のチェック(というよりも、きちんと料理として作れる訳になっているか)……「下訳」の作成とか……なにより、僕自身のモチベーションを維持するためにも「仲間」を作ることが出来たらと思っています。ひょっとしたら「共訳者」になってくれる人が見つかったらいいな、と思っています。

そんなこんなで、とにかく協力者募集中です。どうかよろしくです。下のメールフォームからご連絡ください。

お名前 (必須)

メールアドレス (必須)

社名・店名・部署・役職

URL

所在地

※どういったかたちでご協力いただけるか、出来るだけ具体的にお教えください。(必須)

お願い…同業である野菜生産者さんからの問い合わせはご遠慮ください。