キャロット・ナンテーズとビーツ・クラポディーヌ

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キャロット・ナンテーズは完成した状態だと先が尖らず、円筒形になるのだが、そこまで待つと一斉収穫せざるを得なくなってしまう。だから、現実的にはこのくらいで「完成形」と考えている。

香り、風味が、日本で一般的なにんじんと一線を画す。「ヨーロッパのにんじんってこうなんだよね」と得心のいく仕上りだ。ただ、見た目には、たんに小さめの、ふつうのにんじんだから、珍しい野菜、面白い野菜好きな人たちにはまったく魅力がないかも知れぬ。

そういう点では、アリコ・ヴェールとおなじだ。とても美味しいのだが、アリコ・ヴェールも見た目は細いさやいんげんに過ぎない。ケンタッキーワンダー系の、いわゆる「どじょういんげん」を若どりしてもアリコ・ヴェールの味わいは得られぬのだが…

見た目でいうと、クラポディーヌはかなりインパクトがあるだろう。ビーツなのに玉にならない。こういう形状の品種は複数あるが、クラポディーヌは現存するビーツのなかで、もっとも古くからある品種と言われている。16世紀くらいまで遡れるというのだが、僕自身は、18世紀以前の文献でこの品種の記述を見たことはないので、二次資料からのうけうりだ。

この品種、強烈な見た目だから、野卑な味かと思わせるかも知れぬが、一般的なデトロイトなどと比べると相当に繊細な風味。もっとも古くからある、もっとも美味しいビーツ、というのはあながち誇張ではない。

ただし、とにかく栽培しにくいのが難点。すぐにこじれて生育不良になる。