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オリヴィエ・ド・セール『農業経営論』第1部第1章の翻訳(2)
よい土地とは
古代の遺跡があるようなところの休耕地か未開墾地がもっともいいことは疑うまでもない。日にあたり続け、炎や風化によって崩れた建物に使われていた石灰がついには土壌の砂と混ざりあっているから、土が砕けやすくて耕しやすい。あらゆる農作物を作るのに必要な肥沃で柔らかい土壌だ。
土壌の調べ方
ウェルギリウス1、コルメラ2、パラディウス3をはじめとする先人達のおかげで、土壌の力をいくつかの方法で知ることができる。
よい土壌
いい土壌は、穴を掘ってすぐに埋めもどすと土の全量は穴に入らない。酵母によってパン生地が膨らむように、空気を含んでいるからだ。
よくない土壌
軽すぎてよくない土壌は風にあたると落ちてしまい、穴を掘る前の量にはるかに足りなくなってしまう。
普通の土壌
普通の土壌は穴に埋めもどして足りなくなることはない。手に土を取って、水を含ませると鳥もちのようになるのは肥えた土壌だ。昔の農学者たちによると、土を水に溶いて、布で漉したときの水がよければいい土壌だ。漉した水が強い悪臭を放っていたり、塩辛かったり、あるいは他のよくない匂いや味がする場合は使えないと判断すべきだ。
その他の調べ方
地面を掘ってみるのは土壌の力を知る確実な方法だ。誰もが言うように、表層の土がいちばんいい。だから、同じような土が深いところまであればそれだけ、肥沃な土壌と言える。だが、いい土がとても深くまである場所はきわめて少ない (それでも自然の恵みと思うべきだ)。地表から1ピエ4程度の深さまでいい土があるなら (このくらいか、それより少し深くまであれば果樹には充分だ)、よしとすべきだ。そうでない土壌は質が悪く硬い不毛なものだ。完全な砂土は乾燥しているから、いい土を客土しても水分と養分を吸い取ってしまう。相変わらず痩せた土壌のままだから、頻繁に施肥し続ける必要がある (これはフランスの多くの場所で見られる。パリやその近郊の、建築用の砂を採取しているようなところがそうだ)。深い層が粘土や礫土あるいは岩で出来ている土地は肥効が悪いからと嫌がるのは間違いだ。畑の表土が持つ有用性を忘れてはいけない。
オリヴィエ・ド・セール『農業経営論』第1部第1章の翻訳(1)
第1章・・・土を知る
農業の基本は、耕作する土地が先祖から受け継いだものであれ、新たに手に入れたものであれ、その土地の性質を知ることにある。そうすれば、必要な措置を講ずることで土地改良が可能になるのだ。資金と労力を適切に投入することで、農業経営において期待どおりの成果、言い換えれば適度な利益と喜びという満足を得られるわけだ。
土壌の性質
だから、この本ではまず土壌について論じることにする。じつに多くの種類の土壌について説明することになるが、土壌は性質がいろいろだから共通点がなかったりもする。だからうまく説明するのは困難だが、数が多いことによる混乱を避けるために、大まかに二つに分けることにする。
粘土と砂
言うまでもなく、粘土と砂はどんな土壌にもある。全ての土壌はかならずこの二つを持っている。土地が肥沃か不毛かというのはここから生じる。粘土と砂の比率がいいか悪いかで、耕作者にとって得にも損にもなる。肉に塩で味付けするように、自然のままであれ人工的に改良するのであれ、粘度と砂が土壌にちょうどいい割合で存在していれば、土は耕しやすくなり、保水力も水捌けも適切なものになる。こうして土を治め、使いこなし、施肥を行ないえば、喜ばしい成果がもたらされるのだ。逆に、粘土と砂というまったく異なった性質のもののどちらかが多すぎれば、その土壌はまるで価値のないものになってしまう。土壌が重すぎたり軽すぎたり、堅すぎたり柔らかすぎたり、強すぎたり弱すぎたり、水分が多すぎたり乾きすぎたり、泥々、石灰質、粘土質、こういったものは一度に変えるのは難しく、冬は過湿、夏は乾燥する。結果としてこういう土壌は肥沃とは言えない。
土壌の色
こうしたことを知るには、土の色を見るだけでは充分とは言えない。とはいえ、沼地だったり湿気が多すぎたりしないかぎりは黒い土がいちばんいいとされている。というのも、水を吸った状態なら他の色の土よりはいいからだ。黒の次は灰色、黄褐色、赤褐色と続く。その後は白、黄色、赤だが、これらはほとんど価値がない。食べられる草が生えていない土地も駄目だ。匂いの悪いものも、見た目に汚ならしいのも駄目だ。
土の匂い
ラングドックやプロヴァンスにあるような、セルポレ1やタイム、アスピック2、ラベンダーの香りのする土壌はいい。篤農家はこう言う。
いい香りのする土地でしか
小作人を雇ってはいけない石ころが多すぎたり、岩が邪魔な土壌は、シダやイグサがたくさん生えているような、明らかによくならない土壌と同じレベルのものだ。