よい土地とは

古代の遺跡があるようなところの休耕地か未開墾地がもっともいいことは疑うまでもない。日にあたり続け、炎や風化によって崩れた建物に使われていた石灰がついには土壌の砂と混ざりあっているから、土が砕けやすくて耕しやすい。あらゆる農作物を作るのに必要な肥沃で柔らかい土壌だ。

土壌の調べ方

ウェルギリウス1、コルメラ2、パラディウス3をはじめとする先人達のおかげで、土壌の力をいくつかの方法で知ることができる。

よい土壌

いい土壌は、穴を掘ってすぐに埋めもどすと土の全量は穴に入らない。酵母によってパン生地が膨らむように、空気を含んでいるからだ。

よくない土壌

軽すぎてよくない土壌は風にあたると落ちてしまい、穴を掘る前の量にはるかに足りなくなってしまう。

普通の土壌

普通の土壌は穴に埋めもどして足りなくなることはない。手に土を取って、水を含ませると鳥もちのようになるのは肥えた土壌だ。昔の農学者たちによると、土を水に溶いて、布で漉したときの水がよければいい土壌だ。漉した水が強い悪臭を放っていたり、塩辛かったり、あるいは他のよくない匂いや味がする場合は使えないと判断すべきだ。

その他の調べ方

地面を掘ってみるのは土壌の力を知る確実な方法だ。誰もが言うように、表層の土がいちばんいい。だから、同じような土が深いところまであればそれだけ、肥沃な土壌と言える。だが、いい土がとても深くまである場所はきわめて少ない (それでも自然の恵みと思うべきだ)。地表から1ピエ4程度の深さまでいい土があるなら (このくらいか、それより少し深くまであれば果樹には充分だ)、よしとすべきだ。そうでない土壌は質が悪く硬い不毛なものだ。完全な砂土は乾燥しているから、いい土を客土しても水分と養分を吸い取ってしまう。相変わらず痩せた土壌のままだから、頻繁に施肥し続ける必要がある (これはフランスの多くの場所で見られる。パリやその近郊の、建築用の砂を採取しているようなところがそうだ)。深い層が粘土や礫土あるいは岩で出来ている土地は肥効が悪いからと嫌がるのは間違いだ。畑の表土が持つ有用性を忘れてはいけない。


  1. プブリウス・ウェルギリウス・マロ…古代ローマの詩人。『農耕詩』 
  2. ルキウス・イウニウス・モデラトゥス・コルメラ…起源1世紀ローマ帝国の農学者 
  3. ルティリウス・タウルス・アエミリアヌス・パラディウス…4〜5世紀の農学者 
  4. 約32.4cm 
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