p.XII(6)

タイユヴァンの著書は15世紀に5回出版された1。いずれも出版地、年の記載はない。最も古いものは1490年ごろ。題名は…

p.XII(7)=p.XIII(1)

『国王陛下の厨房を司るタイユヴァンにより、煮込み、ロティ、海水魚、淡水魚、ソース、香辛料その他必要な食物の扱い方、調理法を余すところなく著したル・ヴィアンディエ2、以下に始まる…(原注1)』

(原注1)『ル・ヴィアンディエ』は1520年ごろギヨーム・ニヴェールが二度にわたり刊行、同じころジャン・トレプレル二世も再版。1525年ごろピエール・ゴドゥールが再版1回、1530年以前にドゥニ・ジャノが2度再版した。1545年リヨンのバルナベ・ショサール未亡人が再版し、1580年にブノワ・リゴが、1602年および1603年にはピエール・リゴが再版した。

p.XIII(2)

当時刊行された版は非常に不完全なものだが(原注2)、幸いなことにオーセンティックな手稿本が4部、現存している。それにより、ジェローム・ピション男爵とジョルジュ・ヴィケールにより1897年に校訂版が刊行された3。手稿のうち最も古いものは国立図書館所蔵(f. fr. 19791)(原注3)。二番目に古い手稿はマザリーヌ図書館蔵で、最初のものよりも分量がある。三番目のはヴァチカン図書館に、四番目に古い手稿はラ・マンシュ文書館に所蔵されている。

(原注2)手稿本の文章にしばしば加筆が施されており、ほぼ全てにわたり何かしらの修正が施されている。また、『ル・ヴィアンディエ』本文に先立って著者不明のルセット集が収められているが、タイユヴァンのものではないこともまったく示されていない。

(原注3)本文末尾の語の下に次のようなメモ書きがある。「このヴィアンディエは、私ピエール・ビュフォーが1492年に購入した…」


  1. 要検証。 

  2. 題名の「ヴィアンディエ」viandier は viande の派生語。17世紀以前、viande は「食肉」ではなく「食べ物」全般を意味した。したがって、le viandier の意味は「食べ物の本」=「料理の本」ということになる。 

  3. ピション、ヴィケール校訂版は国立図書館蔵の手稿をベースとして、マザリーヌ図書館蔵のものは抜粋のみ収録。 

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