ほうれんそうやパセリが代表的だが、とかく濃緑が好まれる葉菜類は少なくない。そのほうがマーケットで評価され、高く売れるからだという。
種苗会社のカタログなどには「緑が濃い!」という文字がいたるところに踊り、生産者は濃緑に仕上がるように栽培をする。
濃緑を好むというのは心情的には理解できなくもない。ただ、サヴォイキャベツについて、玉の内部まで濃緑なのが欲しいなどと言われたときには呆れた。それも一度じゃない。流通や料理のプロから何度かそう言われたことがある。
サヴォイキャベツは結球野菜だ。結球野菜というのは、玉の内側の葉が日光に当たらないことによって自然に軟白されるのが特徴だ。光合成はもっぱら外葉がおこなっている。すべての葉が濃い緑色であることを期待するなら、結球野菜はそれに応えることができない。そんなに緑がよければサヴォイじゃなくてカーヴォロネーロを使えばいいじゃないか。
ブレットの写真。上は Blette blonde à carde blanche de Lyon というタイプ。ブロンドというだけに葉色はかなり薄い。下は一般的な Blette verte à carde blanche。こちらのほうが緑は圧倒的に濃くなる。僕はリヨンタイプのほうが好きなのだが、手持ちの種子は緑のほうが古く、そちらを先に使うことにしたので、今シーズンはいまのところリヨンタイプは蒔いていない。