13世紀のパリ執政官エティエンヌ・ボワローによるさまざまな職種にかんする政令をぱらぱらと読んでいて、とても興味深い記述を見つけたので備忘のためアップしておく。キュイジニエ=ロティスールの項。

血で作ったソーセージ(ブーダン)を販売してはならない。さもなくば上記罰金の対象となる。これは危険な食べものだ。(Etienne Boileau, Réglemens sur les arts et métiers de Paris: rédigés au XIIIe siècle et connus sous le nom du Livre des métiers d’Etienne Boileau, 1837, p.177. Gallica)

「危険な」は原文 périlleuse。文字通り危険、デンジャーということだが、なぜ危険なのかは明記されていないのでいまのところわからない。食べものに携る職業にかんする政令には、古い料理や食材を売ってはいけないといった衛生面での規定も少なくないから、おそらくは食品衛生の問題か。

とはいえ、血で作るブーダン、こんにちの名称でブーダンノワールは、14世紀末の『ル・メナジエ・ド・パリ』でレシピの冒頭に掲げられているくらいポピュラーなもの。この禁止令はいつまで続いたのかも含め、調査が必要。

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