半年以上前に書いたものだが、何を思ったのか「非公開」設定になっていたので「公開」にしておく。
米のポタージュ 公妃風
標準的なコンソメを作る。浮き脂を取り除き、布で漉す。下茹でしておいたカロリーヌ米と鶏2羽1をポタージュ用鍋に入れ、コンソメの半量を注ぐ。レタスの葉を束ねたものとセルフイユを加え、¾時間煮る。鶏を取り出し、冷ましてから皮を剥ぐ。米がよく煮えたらしっかりとすり潰す。これにコンソメの残り半量を合わせ、布で漉す。提供直前に、細かく切った鶏肉、半割りにしたレチュの芯のブレゼ6個分、セルフイユひとつまみ、塩茹でしたプティポワをレードル2杯、ポタージュ用の器に盛り込み、上記のポタージュを注ぐ。(t.1, p.104)
原文の料理名は Potage de crème de riz à la princesse (ポタージュ ド クレーム ド リ ア ラ プランセス)、直訳すると「米のクリームのポタージュ 公妃風」だが、冗長なのでたんに「米のポタージュ 公妃風」とした。
さて、このレシピは一部の材料しか分量が記されていない。古い料理書を読んでいると分量がわからないのはよくあることだ。カレームの場合は概ね10人分を一度に作ると考えるといいだろう。コンソメの作り方と米の分量については、他に米のポタージュのレシピがあるので参考にすればいい。「米のポタージュ ロワイヤル」(Potage de crème de riz à la royale, p.99) ではカロリーヌ米6オンスとなっている。1オンスは約30gなので180gということになる。ポタージュにとろみを付けるためのものだから、ピラフのように炊き込むイメージとはちょっと違う。
同じく「米のポタージュ ロワイヤル」のコンソメは、鶏2羽、仔牛の脛1本をポタージュ用鍋に入れてブイヨンを注ぎ、にんじん1、かぶ1、玉ねぎ1、セロリ½株、ポワロー2を加えて5〜6時間煮る。浮き脂を取り除き、布で漉す(pp.99〜100)となっている。
なお、レチュのブレゼについては、日本で一般的なクリスプヘッドタイプのレタスやサラダ菜ではそもそもブレゼに耐えられないので注意。シュクリーヌもしくはレチュの名称で輸入されているものを使うことになるだろう。
- 原文 poulets à la reine プゥレ・レーヌ poulet reine とも。若鶏と肥鶏の間の大きさのもの。『ラルース・ガストロノミック』初版では、孵化後数週間のものをプゥサン poussin、3〜4ヶ月生育させた450g〜600gのものをプゥレ・ヌゥヴォーと呼ぶ。その後、600〜900gに生育したものがプゥレ・ド・グラン poulet de grain、夏の終わりごろの1,000〜1,800gのものをプゥレ・レーヌ、さらに1,800g〜2kgのものをプゥレ・グラ poulet gras と分類している。肥鶏(プゥラルド poularde)はガバージュ(強制給餌)等により肥育したもので、1.8kg〜3kg程度という。 ↩