frittata con erba stella minutina

どうしていいのかわからない、皿の飾りにしかならないという声もちらほら耳にするエルバステッラ。もとはイタリアのものだから、プロとはいえフランス料理が専門だといたし方ないのはしょうがないのだろう。

だがイタリア料理はフランス料理の近接領域。いまやルーコラ・セルヴァティカがあたりまえにフランス料理で用いられているのだし、エスコフィエ『料理の手引き』ではパスタとリゾットに相応のページを割き(原書で計8ページ)、ダンバルにフォンセ生地ではなくマカロニを使ったり、イタリア料理由来のレシピを数多く収録されてるくらいだ。

エルバステッラは日本の種苗会社が小袋の種子を販売してるからそこそこ日本でも知られるようになったかと思いきやあいかわらずまったく無名の様子。甘くておいしいといったたぐいのものじゃないから葉菜としてメインストリームにはのれそうにないけど、独特の歯ごたえと風味を愉しむ、いってみれば余裕のある都市生活者だからこそ田園や田舎に惹かれるような、魅力ある野菜として認知されることが願われる。漢方薬や健康食品の原料として用いられるオオバコの一種だからそういうイメージを付加することももちろん可能だろう(個人的にあまり好きな手法ではないが)。

さて、美味しく食べる方法だ。若くて新鮮な葉はそのまま生でサラダのいいアクセントになるが、ポイントをおさえれば簡単に前菜1皿仕上がる。以下はその一例。ちょっとやそっとの加熱でエルバステッラ独特の歯ごたえが失われることはないので、多少雑にやっても大丈夫。

(2〜4人分)
* エルバステッラ 50g
* 全卵 4
* 塩、こしょう 適量
* 粉チーズ 適量
* オリーブオイル 適量

1. エルバステッラはよく水洗いして、沸騰した塩湯で下茹でする(塩1%)。再沸騰したら取り出してザルにあける。
2. 冷めたら適当な長さに切る(1cmくらい)
3. 卵を解きほぐし(できたら網で漉す)、エスバステッラ、塩、こしょう、粉チーズを加えてよく混ぜる。
4. フライパンにオリーブオイルを引いて卵液を流し入れる。
5. 蓋をしてごく弱火で加熱する(オーブンに入れるといい)。オーブンを使わない場合は適当なタイミングで裏返して蓋をし、ふんわり火を入れる。

※ポイントは下茹で。手抜き料理とはいえこれだけは絶対に省略しないこと。
※キッシュのアパレイユのように、卵液に生クリームなどを加えてもいい。
※いまどきの「甘くておいしい」ような葉野菜ではないのでそういうのを期待するひとにはおすすめできない。独特の歯ごたえと野趣あふれる風味、つまりいまどきの葉野菜にない「草」な感じを楽しんいただきたい。(©2023 Manabu GOTO)

エルバステッラのフリッタータ©2023 lespoucesverts Manabu GOTO
エルバステッラのフリッタータ©2023 lespoucesverts Manabu GOTO
エルバステッラのフリッタータ©2023 lespoucesverts Manabu GOTO
エルバステッラのフリッタータ©2023 lespoucesverts Manabu GOTO
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エルバステッラのフリッタータ©2023 lespoucesverts Manabu GOTO
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