"Petroselinum crispum 003" by H. Zell - Own work. Licensed under Creative Commons Attribution-Share Alike 3.0 via Wikimedia Commons - http://commons.wikimedia.org/wiki/File:Petroselinum_crispum_003.JPG#mediaviewer/File:Petroselinum_crispum_003.JPG

ラ・ヴァレーヌのラグゥ(13)

59. アルブランのラグゥ仕立て Halbran en ragoût

アルブランは掃除をし、フライパンで焼く。これを陶製の鍋に入れてブイヨンを注ぎ、ブーケガルニを加えて煮る。しっかりと味付けしておく。よく煮えたらソース(煮汁)にしっかりとろみを付ける。ケイパー、マッシュルーム、トリュフを混ぜ込む。
Etant habillez passez les par la poêle, puis les mettez mitonner dans une terrine avec bon bouillon et un bouquet, le tout bien assaisonné: étant bien cuits et la sauce bien liée, mettez y câpres, champignons, truffes, et servez.

アルブランは野生の鴨のうち、その年に生まれた若いもの。

60. 揚げた羊舌肉のラグゥ ベニェ仕立て Langue de mouton frite en ragoût et beignet

羊舌肉は縦半分に切り、フライパンで焼く。しっかり味付けする。平鍋に移し、ヴェルジュとナツメグを加える。小麦粉少々を用意し、卵と舌肉の煮汁で溶く。この生地に舌肉を投入し、(フライパンに)溶かした豚背脂またはラードで焼く。パセリひとつかみを加える。パセリは緑色を失なわないように注意。そのまま、またはマリナードとソース(煮汁)の残りを添えて供する。
Prenez vos langues et les fendez par la moitié, puis les passez par la poêle, et les assaisonnez bien. Mettez les ensuite dans un plat avec verjus et muscade: Prenez après peu de farine et la délayez avec un oeuf, et la sauce qui est dessous vos langues, que vous jetterez dans cet appareil: faites la frire avec du lard fondu ou du saindoux: Etant frite jetez dans la poêle une poignée de persil, et faites en sorte qu’il demeure bien vert, servez les seiches ou bien avec une marinade et le reste de votre sauce.

フライパンで表面を焼いた後、煮ているわけだが、ヴェルジュとナツメグしか加えないというのは考えにくい。多少なりともブイヨンを注ぐと考えたほうがよさそうだ。

作業の流れから、frire は「揚げる」ではなく「焼く」とした。そもそも frire という語は油脂の量が多いか少ないかはあまり問題にしない。ただ、「衣」をつけているわけだから、あまり油脂の量が少ないと具合が悪そうだ。「揚げ焼き」なる日本語もあるようなので、置き換えて読んでもかまわない。

パセリはフライパンに投入するという指示で、つまりは火を通すということだが、みじん切りなら皿に盛ってからでもよさそうな気もするし、ちぎっただけのものなら軽く火を通したいというのもわかる。なお、パセリは葉がちぢれる persil frisé (ペルシ・フリゼ)いわゆるモスカールドと、葉が平たい persil plat (ペルシ・プラ)いわゆるイタリアンパセリがこんにち一般的だが、18世紀のド・コンブル『菜園の学校』De Combles, Ecole des jardins potagers, 1749 という本ではパセリは6タイプに分けられており、ペルシ・フリゼの記述は相対的に少ない。「ペルシ・フリゼは一般的なパセリ(persil commun ペルシ・コマン = ペルシ・プラ)と同じ味で栽培方法も同じだが、霜にかなり弱く、しおれやすいため、栽培は少ない」(p.392)とあることは留意しておきたい。

61. 仔牛レバーのラグゥ仕立て Foie de veau en ragoût

仔牛レバーに棒状に切った豚背脂をラルデ針で刺し込む。ブーケガルニ、オレンジの外皮、ケイパーを加え、しっかり味付けして煮る。充分に煮えたら煮汁(ソース)にとろみを付け、レバーはスライスして供する。
Lardez les de gros lard, et le mettez dans un pot bien assaisonné avec un bouquet, écorce d’orange, et câpres; puis étant bien cuit, et la sauce liée, coupez le par tranche, et servez.

この本の他のレシピを読んでいればどうということもないのだが、これだけ抜き出したら、どう作ったらいいのかわからないかも知れない。かなり不親切な記述だ。