投稿者: Manabu GOTO

  • ミニマルキュイジーヌあるいは素材のミニマリズム

    Cuisine minimaliste, ou Ingrédients minimalistes

    玉ねぎとマヨネーズのトースト©2023 lespoucesverts Manabu GOTO
    玉ねぎとマヨネーズのトースト©2023 lespoucesverts Manabu GOTO

    インスタなどで使うハッシュタグを考えていて思いついた表現。というか#cuisineminimalisteはすでにそこそこ使われている。僕が発明したわけでもなんでもない。いっぽう、日本語の#ミニマルキュイジーヌはいまのところ僕しか使っていないみたいだ。

    フランス語のcuisine minimalisteという表現はなんとなくマリネッティの「未来派料理」cucina futurista (cuisine futuriste)を連想させるかもしれない。もっとも、あれはパスタ排斥=伝統的食文化の否定であり、ひとつの完全栄養食品を理想形とするトンデモだったわけで、20世紀初頭という「時代のあだ花」みたいなものと僕は思っている。

    ミニマルというカタカナ語をきちんと日本語にすれば「最小限の(単純な)」くらいになるだろうか。「ミニマルな暮らし」とか「ミニマルな生き方」「ミニマルライフ」が流行ってるみたいだからその流れでミニマルキュイジーヌも受け入れられるといいなあと思っている。

    ただ、料理をいうからには「おいしい」が絶対条件だと思うから、僕はあえて「キュイジーヌ」というカタカナでちょっと気取った感じにしている。いや、本もあるくらいだから「ミニマル料理」でいいんですよ(その本は読んでないけど)。その表現が定着するのだっていいと思う。たんに僕の思っているもの、僕が日々作って食べてるものとちょっとニュアンスが違うかな、というだけのこと。

    だからキュイジーヌでも料理でもいいんだけど、ミニマルは素材の良さと調理する人の手際(技術)にすべてがかかってくる。都市生活者にとっては経済的にあんまりミニマルにはならないかも知れないが、素材にカネを惜しんではミニマルキュイジーヌはたんなる「手抜き料理」にしかならない。しかもたいていはおいしくない。おいしくないということはミニマルキュイジーヌとして失格だ。だから素材はとにかくいいものを使いたい。

    ミニマルキュイジーヌの真価は野菜(を大切にした)料理で発揮される。ここを惜しんではいけない。考えて見てほしい。野菜はどんなに高価なものでも、牛・豚・羊肉や鶏などと比べたらたかが知れてる。野菜生産者としてはとても残念なことだが、これをケチりたがるレストラン経営者や料理人さんは多い。そりゃ、肉・魚料理に「添える」ものだったらそういう発想になるのもわからなくはないけど、だったらいっそのこと野菜なんか添えなきゃいいのにというのが素朴な感想だ。

    なにしろ今の日本で、そのへんで簡単に入手できる野菜はたいていおいしくない。まずくはなくてもおいしくない。これは至極あたりまえのことで、野菜というのは芋類やかぼちゃといったでんぷん質主体のものをのぞくと、新鮮であればあるほどおいしいからだ。一般的に知られているレベルでいうと、たとえばほうれんそう。生産者が朝収穫する。当日に調製(根を切ったり傷んだ葉を取り除いて計量、袋詰め、箱詰めする)すると農協あるいは出荷場には翌朝となるパターンは多い。出荷後に卸売市場に運ばれて1日。卸売市場で販売されるのは翌朝。そこで仲卸、八百屋、スーパーなどが仕入れて小売されることになる。だいたい2〜3日。これは最短のケース。卸売市場での販売価格は需給関係で日々変わるから出荷調整といって農協などで1・2日保管されることもある。さらに、卸売市場から仲卸、八百屋、スーパーなど小売業者が仕入れたものが一般の人々の手元に届くわけだが、ここでも最短は当日、売れなければ商品がダメになるまで在庫させて売り場に並ぶか八百屋やスーパーのバックヤードの冷蔵庫に居座る。だから長ければ収穫から1週間経って売られているものはざらにある。

    もうひとつ、「安全・安心」をうたう自然派の食材流通業者の場合だと、出荷されてからピッキング場に集められてそこで仕分け、箱詰めされて出荷されることが多いみたいだ。宅配食材の業者だけでなく、大手ハンバーガーチェーンや外食チェーンに納めてる八百屋さんもピッキング場を構えている。だいたいは定温庫か保冷庫になってるらしいから、そこでそれなりの時間を野菜が過ごしているであろうことはことは想像に難くない。

    もうひとつ、野菜というのは収穫してから間にはいる人間が少ないほどいい。時間とか移動距離みたいに客観的な数字で表せないけれど、どういうわけか経験的にそうみたい。多分、流通過程でなんらかの形で人の手に触れるわけだが、野菜の扱いは一律でいいということなんてなく、品目や季節、産地そして個々の品物それ自体によって気を使うべきところがそれぞれ違う。そこまでの知識、技能を持った人だけがやってる仕事?

    そりゃ、野菜をおいしくないと感じる人が多いわけだ。

    ミニマルキュイジーヌの理想を追いもとめるなら、家庭菜園なりで自分で食材をつくり、自分で調理して自分(とごく近しい人)だけで味わうのがいい。

    そう、僕が言ってるミニマルキュイジーヌというのは食を自分の手に取り戻すことに繋がる。食べるということ、食欲は個としての人間存在の根源にかかわる。そういう意味で、自分自身を自分の手に取り戻すことにつながるとつながると言ってもいいだろう。

    あと、現代日本では多くの人においてアミノ酸、脂質について味覚の感受性が鈍くなってる(マヒしてる)ようだから、これらをリセットするのをお勧めしたい。とりわけアミノ酸は注意が必要で、食品の原材料表示の「調味料(アミノ酸等)」だけじゃなく「たん白加水分解物」と「酵母エキス」も気をつけたほうがいい。これらは名称こそ違うけど本質的には同じものと言っていい。

    おまけ

    画像は玉ねぎとマヨネーズのトースト。使った玉ねぎは泉州という品種。パンは鳥越製粉ドヌールといわゆる赤サフを用い、加水率70%で焼いた自家製(翌日使用)。マヨネーズはキユーピー。オーブントースターで200℃、11分。今年は植えたのが遅くて大きくならなかった玉ねぎだが、味わいはとてもいい。コンビニにありそうな惣菜パンだけど、パンと玉ねぎの違いで大きく変わる。いろいろ試してみると面白いかも。

    玉ねぎとマヨネーズのトースト(プロセス1)©2023 lespoucesverts Manabu GOTO
    玉ねぎとマヨネーズのトースト(プロセス1)©2023 lespoucesverts Manabu GOTO
    玉ねぎとマヨネーズのトースト(プロセス2)©2023 lespoucesverts Manabu GOTO
    玉ねぎとマヨネーズのトースト(プロセス2)©2023 lespoucesverts Manabu GOTO

     

     

    ©2023 lespoucesverts Manabu GOTO

     

  • クロスティーニ用カーヴォロネーロまたはサヴォイキャベツの外葉

    Chou palmier ou feuilles extérieures de chou vert pour crostini

    10分でできるお手軽ミニマルキュイジーヌ!

    Cuisine minimaliste. 10 minutes de préparation – cuisson !

    crostini aux feuilles extérieures de chou vert@2023 lespoucesverts Manabu GOTO
    crostini aux feuilles extérieures de chou vert@2023 lespoucesverts Manabu GOTO

    材料(2人分)

    • カーヴォロネーロ……5枚(またはきれいで新鮮なサヴォイキャベツの外葉2枚)
    • トマト・サンマルツァーノ3……1個(またはミニトマト5個)
    • とうがらし カイエンヌ(フレッシュ)……1
    • 紫にんにく……1
    • アンチョビペースト
    • オリーブオイル、塩、こしょう

    作り方

    1. カーヴォロネーロは洗ってコット(中肋)を取り除き、細かく刻む。
    2. トマトは適当な大きさに切る。皮はむかない。
    3. カイエンヌは半割りにして包丁の先で中の種子とわたを取り除く。
    4. にんにく(みじん切り、薄切り、叩いただけ、どれでもいい)とカイエンヌ、たっぷりのオリーブオイルをフライパンで香りが出るまで弱火で熱する。
    5. カーロヴォネーロとトマト、塩適量、アンチョビペースト適量をフライパンに投入し、強火で野菜から出た水気がほぼなくなるまで炒める。
    6. こしょう。
    7. パンにのせていただく

     

    コット(中肋)を取り除くのが大事なポイント!

    サヴォイキャベツの外葉は結球部分に栄養を取られてしまうものです。収穫してから時間の経ったものはおいしくなくなっているはずです。キャベツにしろレタスにしろ結球野菜というのは本質的にそういうものなので一般的に外葉は使われずに廃棄されるわけです。とはいえ採りたてなら調理次第でとてもおいしくできます。

  • ミニポワロー(2023年11月から)

    mini-poireaux©2010 Manabu GOTO
    mini-poireaux©2010 Manabu GOTO
    • フランス語名 mini-poireaux, jeunes poireaux, poireaux crayons
    • 英語名 mini-leeks
    • 学名 Allium ampeloprasum
    • 日本での別名 ポワロジューヌ ポワロジェンヌ

    画像は2010年のものです。2023年11月出荷再開予定。

    古代ローマ時代から愛されてきたポワロー(ポロ葱)を直径約1cm、軟白部の長さ15cm以上で仕立てました。もともとはポワローの苗をジュヌポワロー(若いポワロー)といって定植せずに食材としたのが始まりと言われています。「貧者のアスパラガス」asperges du pauvre とも呼ばれました(アスパラガスも古代ローマ時代からとても好まれてきた野菜です)。

    ごとう菜園のミニポワロー は「苗」ではなく文字どおりミニサイズのポワローです。太さ約1cm、白み(軟白部 fût blanc)15cm以上(実際には18cmくらい)、軸(fût)の全長20cm以上で仕上げています。文献調査と試行錯誤を重ねて、とても労力と手間がかかるけれど確実な独自の栽培方法を確立しました。すべて手作業のアルティザナルな栽培方法です。このサイズで白みの長い高品質のミニポワロー は他のどこにも存在しないと思います。ポワローは生育がとても遅く、ミニポワロー の場合でも種まきから育苗2ヶ月以上、定植後3ヶ月以上、合計5ヶ月以上かかります。以上の理由からとても高コストです。

    「貧者のアスパラガス」とはとても呼べない真逆の、まさしくガストロノミーのための究極のガストロノミックな食材です。基本的にはブランシール(下茹で)してからアスパラガスと同様に調理します。ポワローは水分が比較的少ない野菜なので下ゆでせずにグリル焼きするのはお勧めできません。加熱調理時の優しく繊細な香りととろけるような甘い味わい、最高級の食材のひとつとして自信をもってご提案します。

    2013年ごろまで築地市場に出荷し、日本を代表する有名ホテルのダイニングなどでお使いいただいたり料理雑誌に掲載されるなどとても高い評価をいただいていましたが、思うところあって封印していました。この秋(2023年11月)から産直販売で再開します。少量生産のためご興味のある方は早めにご連絡ください(インスタ、メッセンジャーでもOKです)。

    ※お問い合わせ内容によってはお答えしかねる場合もあります。あらかじめご了承ください。

    ミニポワロー お問い合わせフォーム(#9)

  • サンマルツァーノ3のオーブン焼き

    Pomodoro San Marzano 3 fresco al forno

    手軽でおいしい適当レシピ

    Pomodoro San Marzano 3 al forno©2023 lespoucesverts Manabu GOTO
    Pomodoro San Marzano 3 al forno©2023 lespoucesverts Manabu GOTO

     

    材料

    • トマト サンマルツァーノ3
    • とうがらし カイエンヌ(フレッシュ)
    • 紫にんにく(みじん切り)
    • パン粉
    • パルミッジャーノ(すりおろし)
    • パセリ(みじん切り)
    • Exバージンオリーブオイル
    • 塩・こしょう

     

    作り方

    1. トマトは洗って半割りにする。へた近くの白く固い部分はなるべく取り除く
    2. カイエンヌは半割りにして中の種子とわたを取り除く(辛いのが好みなら種子を取り除いてから小口切りにし、3に混ぜ込んでもいい)
    3. にんにく1、パン粉1、パルミッジャーノ1、パセリのみじん切り3、オリーブオイル2くらいの割合で混ぜ合わせ、耐熱皿に切り口を上にして並べたトマトにのせる
    4. 230℃のオーブンで約15分、トマトにしっかり火が入り、同時にトマトの上の3がこんがり色づくように焼く
    5. 塩、こしょう
    Pomodoro San Marzano 3 al forno©2023 lespoucesverts Manabu GOTO
    Pomodoro San Marzano 3 al forno©2023 lespoucesverts Manabu GOTO

     

    焼きあがったトマトをフォークでつぶして、茹で上げたパスタのソースにしても美味です。

    Spaghetti con pomodoro al forno©2023 lespoucesverts Manabu GOTO
    Spaghetti con pomodoro al forno©2023 lespoucesverts Manabu GOTO
  • トマト プリンチペ・ボルゲーゼのスパゲッティ

    Spaghetti al pomodorino Principe Borghese fresco

    サンマルツァーノ3のスパゲッティとまったく同じ手順なのでレシピをあらためて書く必要もないくらいですが、火加減と加熱時間を変えます。個人的にはこちらのほうが圧倒的においしいと思っています。手際よく仕上げるのがポイント。

    sugo di pomodorino Principe Borghese©2023 lespoucesverts Manabu GOTO
    sugo di pomodorino Principe Borghese©2023 lespoucesverts Manabu GOTO

    材料(2〜3人分)

    • トマト プリンチペ・ボルゲーゼ(フレッシュ)……6個(200g弱)
    • とうがらし カイエンヌ(フレッシュまたは乾燥)……1
    • 紫にんにく……1かけ
    • Exバージンオリーブオイル……適量
    • イタリアンパセリ……適量
    • 塩・こしょう
    • スパゲッティ(またはスパゲッティーニ)……250g

     

    手順

    1. プリンチペ・ボルゲーゼは洗って四つ割りに切る
    2. カイエンヌは縦半分に切って中の種子とわたを取り除く
    3. にんにくは薄切りにする
    4. フライパンにオリーブオイル、カイエンヌ、にんにくを入れ、ごく弱火にかける
    5. 香りがたってきたらカイエンヌを取り出す
    6. プリンチペ・ボルゲーゼを投入し強火にする
    7. 煮詰まって水分がなくなってしまわないよう火加減を注意し、木へらでトマトを潰しながら約7分間加熱する
    8. 塩・こしょう
    9. スパゲッティの茹で汁大さじ2を加えて混ぜ、茹でたてのスパゲッティを投入して手早くソテーする
    10. 皿に盛り、イタリアンパセリを散らす
    Spaghetti al pomodorino Principe Borghese fresco©2023 lespoucesverts Manabu GOTO
    Spaghetti al pomodorino Principe Borghese fresco©2023 lespoucesverts Manabu GOTO

    フレッシュなプリンチペ・ボルゲーゼはサンマルツァーノ系より水分が多いので強火で加熱します。

    パセリではなくバジルを散らしてもいいでしょう。

    サンマルツァーノ系統のトマトを使う場合よりも素材の良し悪しと手際のよさがはっきり仕上がりに反映されます。

    ©2023 lespoucesverts ManabuGOTO

  • トマト プリンチペ・ボルゲーゼ

    ごとう菜園のとっておき極上トマトです。

    pomodorino Principe Borghese©2023 lespoucesverts Manabu GOTO
    pomodorino Principe Borghese©2023 lespoucesverts Manabu GOTO
    • イタリア語名 pomodorino Principe Borghese
    • フランス語名 tomate Principe Borghese
    • 英語名 tomate Principe Borghese
    • 学名 Solanum sect. Lycopersicon

    「ボルゲーゼ大公」の名を持つやや小ぶりの中玉トマトです。イタリア・ナポリ近郊の特産品ピエンノロDOPの使用品種のひとつに指定されています。ピエンノロはペンドロとも呼ばれ、真っ赤に熟した房を束ねて軒先に吊るし熟成させたもので、瓶詰めなどで輸入されています。

    この品種はさらにさらに非芯止まりタイプと芯止まりタイプの2つに分類されます。ごとう菜園のプリンチペ・ボルゲーゼは非芯止まりタイプです。20年以上前にイタリアの知人から譲り受けたものを自家採種で維持しています。1個約30g。

    表皮がしっかりしていてとても丈夫です。果肉はサンマルツァーノ系のように加熱時にするりと粉状に崩れはしませんが、加熱特性はとても高いです。最適なのはいったんセミドライに加工してから調理することです。アミノ酸含有量が多いため濃厚な味わいです。生食もできますがフルーツトマトのような甘さは期待しないでください。上述のように表皮が丈夫なため、「皮が固い」印象かもしれません。

    pomodorino Principe Borghese©2023 lespoucesverts Manabu GOTO
    pomodorino Principe Borghese©2023 lespoucesverts Manabu GOTO

    一般的なミニトマトと同様に子室が2つです。上の画像のように縦に軽く凹んだ線があるので、それと直角にカットするとゼリー部分が完全に露出します。線に沿って切ると壁が出てしまうのでセミドライにする際は注意したほうがいいでしょう。下の画像の右側が縦線に直角に切ったもの。左が縦線に沿って切ったものです。

    pomodorino Principe Borghese©2023 lespoucesverts Manabu GOTO
    pomodorino Principe Borghese©2023 lespoucesverts Manabu GOTO

    フレッシュを加熱調理する場合はサンマルツァー系と同様にしてください。とてもおいしく仕上がります。

    2023年は6株しか植えなかったので業務用単品のご提供はできません。こだわり野菜セットにお入れすることは可能なので決済の際に「注文メモ」でご指定ください。メッセンジャーなどであらかじめお尋ねくださると確実です。

    ※日本の気候では熟度を揃えて房どりすることが困難なため1個ずつバラして収穫しています。同じ理由からピエンノロのように吊るしで熟成させるのもほぼ不可能です。ただしトマトとしては比較的長期間常温保管可能です(過熟かなと思うくらいがむしろおいしいです)。

     

    レシピ

    プリンチペ・ボルゲーゼ(フレッシュ)のスパゲッティ

     

    CAPRESE VESUVIO, RICETTE POMODORINI DEL PIENNOLO (イタリア語)

  • カーヴォロネーロのキッシュ

    Quiche au chou palmier (Torta salata con cavolo nero)

    イタリアのイメージが強いカーヴォロネーロを親しみやすいフレンチに。

    カーヴォロネーロのキッシュ Quiche au chou palmier ©2023 Manabu GOTO
    カーヴォロネーロのキッシュ Quiche au chou palmier ©2023 Manabu GOTO

     

    16cmタルト型2枚分

    1. カーヴォロネーロはざく切り(一辺2cm以下)にする
    2. 小たまねぎは薄切りにする(2mm程度)
    3. 塩漬け豚ばら肉は5mm程度のダイス状に刻む
    4. フライパンにひまわり油(分量外)を熱して1〜3を投入、ざっと炒めたら 蓋をして15分エチュヴェ(蓋をして弱火で蒸し焼き)する。塩こしょう。そのまま粗熱をとる
    5. 型にフォンセ生地を敷き詰める
    6. 卵を溶きほぐし、生クリームと混ぜ合わせる。4を加え混ぜ合わせる
    7. 型に流し込む
    8. 190度のオーブンで25分焼成する

    塩漬け豚ばら肉を使いましたが、なければパンチェッタを使うといいでしょう。日本で一般的なベーコンは薫香(たいていはくん液=木酢液)がとても強いのでキッシュには避けたほうがいいです。豚肉加工品ではなくオイル漬けのアンチョビを使ってもおいしくできます。

    中肋を取り除くのがポイント。どうしても使いたい場合は火入れその他いろいろ工夫してください。加熱時間が大きく変わるはずです。

    厳冬期、強い霜にあたったカーヴォロネーロはすぐに柔らかく火が通るので仕上がりが異なります。

    フリッタータにしておいしい葉茎菜はだいたいキッシュにしてもおいしいです。

    カーヴォロネーロと小たまねぎ ©2023 Manabu GOTO
    カーヴォロネーロと小たまねぎ ©2023 Manabu GOTO
    カーヴォロネーロは中肋を取り除く©2023 Manabu GOTO
    カーヴォロネーロは中肋を取り除く©2023 Manabu GOTO
    塩漬け豚ばら肉 lard maigre maison ©2023 Manabu GOTO
    塩漬け豚ばら肉 lard maigre maison ©2023 Manabu GOTO
    ガルニチュール(フィリング)©2023 Manabu GOTO
    ガルニチュール(フィリング)©2023 Manabu GOTO
    卵と生クリーム©2023 Manabu GOTO
    卵と生クリーム©2023 Manabu GOTO
  • フレッシュサンマルツァーノ3で作るスーゴ・プッタネスカ

    sugo puttanesca con pomodoro san marzano 3 fresco ©2023 Manabu GOTO
    sugo puttanesca con pomodoro san marzano 3 fresco ©2023 Manabu GOTO

    スパゲッティ・プッタネスカ(娼婦風)に用いるソースですが肉料理や魚料理にも合わせられます。フレッシュのサンマルツァーノ3を煮詰めて濃厚な味わいに。

     

    材料

    • トマト サンマルツァーノ3(フレッシュ)……400g
    • アンチョビ(オイル漬け)……1缶
    • オリーブ……2個
    • ケイパー(酢漬け)……小さじ1
    • にんにく……1片
    • カイエンヌとうがらし……1
    • オリーブオイル、塩、こしょう、イタリアンパセリ……適量

    手順

    1. サンマルツァーノ3は湯むきして白い部分を取り除き、適当な大きさに刻む
    2. にんにくとオリーブはスライスする
    3. カイエンヌは種を取り除く
    4. フライパンにアンチョビ、オリーブオイル、にんにく、カイエンヌを入れて香りが立つまで弱火にかける(焦がさないように注意)
    5. サンマルツァーノ3を投入し中火〜強火にする
    6. 焦げ付かないように時折混ぜながら、好みの濃さになるまでトマトを煮詰める
    7. ケイパーを加え、塩、こしょうで味を調える
    8. イタリアンパセリをちぎって散らす

    しっかり煮詰めるのがポイント。

    過熟くらいまで真っ赤に熟したものを使うといいでしょう。

    パスタと合わせる場合、塩味は「ちょっと濃すぎるかな」くらいの味にしておくといいでしょう。

    ©2023 Manabu GOTO

    pomodoro san marzano 3 ©2023 Manabu GOTO
    pomodoro san marzano 3 ©2023 Manabu GOTO
    pomodoro san marzano 3 ©2023 Manabu GOTO
    pomodoro san marzano 3 ©2023 Manabu GOTO
  • トマト サンマルツァーノ3

    pomodoro san marzano 3 ©2023 Manabu GOTO
    pomodoro san marzano 3 ©2023 Manabu GOTO
    • イタリア語名 pomodoro San Marzano 3
    • フランス語名 tomate San Marzano 3
    • 英語名 tomate San Marzano 3
    • 学名 Solanum sect. Lycopersicon

    サンマルツァーノ3 は品種名です。DOP産品であるサンマルツァーノ “Pomodoro San Marzano dell.Agro Sarnese-Nocerino”の使用品種は「San Marzano 2またはKiros」と規定されているので微妙に異なります。が、サンマルツァーノ3はとても素晴らしい味わいで、なおかつフレッシュです。

    このタイプのトマトは加熱すると果肉がさらさらと煮崩れるのが特徴です。火入れが浅ければさっぱりとした味わい。煮詰めると酸味が出てきて濃い風味になります。この特性から、生食はあまりおいしくありません。

    栽培作業の都合でこの品種は2023年限りです。(©2023 Manabu GOTO)

    Pomodoro San Marzano 3 ©2023 Manabu GOTO
    Pomodoro San Marzano 3 ©2023 Manabu GOTO

     

    pomodoro San Marzano 3 (400g) ©2023 Manabu GOTO
    pomodoro San Marzano 3 (400g) ©2023 Manabu GOTO

     

    レシピ

    フレッシュトマト(サンマルツァーノ3)のスパゲッティーニ

     

    フレッシュサンマルツァーノ3で作るスーゴ・プッタネスカ

     

    サンマルツァーノ3のオーブン焼き

     

    ©2023 lespoucesverts Manabu GOTO

  • フレッシュトマト(サンマルツァーノ3)のスパゲッティーニ

    Spaghettini al pomodoro San Marzano 3 fresco ©2023 lespoucesverts Manabu GOTO
    Spaghettini al pomodoro San Marzano 3 fresco ©2023 lespoucesverts Manabu GOTO

    サンマルツァーノ3 (San Marzano 3)はトマトの品種名です。

    とれたてのフレッシュなサンマルツァーノタイプのトマトとカイエンヌとうがらしを使う、あっさりした仕上がりのレシピです。

    材料

    3人分(パスタ250g)

    • トマト サンマルツァーノ3(フレッシュ)……3個
    • とうがらし カイエンヌ(フレッシュ)……1
    • にんにく……1片
    • イタリアンパセリ……2枝(葉と茎を分ける)
    • スパゲッティーニ(1.55mm)……250g
    • 塩、こしょう、オリーブオイル

    手順

    1. サンマルツァーノ3は湯むきをして2〜3cm角にざっくり刻む。
    2. カイエンヌは縦2つに切って種とわたを取り除く
    3. にんにくは薄くスライスする
    4. フライパンにオリーブオイル、にんにく、カイエンヌ、パセリの茎を入れて弱火にかける
    5. 沸騰した湯に1%の塩を溶かし、スパゲッティーニを投入。時折混ぜながら茹でる
    6. フライパンから香りがたってきたらパセリの茎を取り出し、サンマルツァーノ3を投入。中火にする。トマトの果肉がさらさらと煮崩れるのが目安。塩、こしょう。
    7. スパゲッティーニは固めに茹で上げ、ざるにあける(茹で汁は少し残しておく)
    8. フライパンにスパゲッティーニを投入し、よくあえる(トマトが煮詰まっている場合は茹で汁で調整する)
    9. 皿に盛り、イタリアンパセリを散らす

    サンマルツァーノタイプのトマトは煮詰めると酸味が出ますが、火入れが浅いととてもあっさりした仕上がりになります。

    パセリではなくバジルを使ってもいいですが、日本で一般的なスイートバジルだと香りが強すぎるでしょう。

    日本ではフレッシュトマトのパスタというと糖度の高いトマトを使った濃い味つけのものが主流ですが、さっぱりした仕上がりもおすすめです(とくにプリモピアットとして、後に魚料理や肉料理を続ける場合)。

    上の手順は茹で時間5〜6分のパスタを使う場合です。つまりトマトの加熱時間を4〜5分と想定しています。パスタを茹でるのとソース作りの同時進行が難しい場合は先にソースを作って火を止めておきましょう。パスタが茹で上がったらフライパンを強火にかけてからパスタをあえます。

    カイエンヌは日本のトウガラシと比べると辛さが弱い品種です。日本のトウガラシで代用するよりは省略したほうがいいでしょう。

    シンプルなだけに段取りと手際の良さが要求されるレシピです。繰り返し調理して好みの仕上がりを目指しましょう。

    Pomodoro San Marzano 3 ©2023 Manabu GOTO
    Pomodoro San Marzano 3 ©2023 Manabu GOTO
    Peperoncino Cayenna ©2023 Manabu GOTO
    Peperoncino Cayenna ©2023 Manabu GOTO