1653年のパティスリ
2014/09/28 12:27Le Pastissier François (1653年初版)という本がある。現代の綴りに直すと Le Pâtissier français。内容を汲んでタイトルを訳すと『フランスのパティスリ』くらいになろうか。パティスリに特化した本としてはフランスでいちばん古いものだ。
ラ・ヴァレーヌのラグゥ(4)
2014/09/27 22:0020. 羊尾肉のラグゥ仕立て Queue de mouton en ragoût 羊尾肉は腿付きのものを使う。棒状に切った背脂をラルデ針で全体に刺し、牛塊肉1とともに茹でる。半ば火が通ったら鍋から取り出し、小麦粉をまぶしてフライパンで焼く。陶製の鍋に移してブイヨンを注ぐ。マッシュルーム2、ケイパー、牛口蓋肉3を加えて味付けをし、蓋をしてよく煮る。
ラ・ヴァレーヌのラグゥ(3)
2014/09/26 23:0018. 豚舌肉のラグゥ仕立て Langue de porc en ragoût 生の豚舌肉を使う。フライパンで表面を焼き、よく煮る。しっかり味付けする。ほぼ火が通ったら、(煮汁から豚舌肉を取り出して、)すり潰した玉ねぎ、小麦粉、白ワイン少々とともにもう一度フライパンで焼く。これを先の煮汁に戻して弱火で煮込む。
ラ・ヴァレーヌのラグゥ(2)
2014/09/24 23:0017. 牛舌肉のラグゥ仕立て Langue de boeuf en ragoût 牛舌肉に、長い棒状に切った背脂をラルデ針で縦に刺し込む。鍋で茹でる。しっかり味付けする。おおむね火が通ったら火から外して冷ます。拍子木に切った背脂を刺し、ロースト用の串を通す。煮汁をかけながら焼き上げる。串を抜いたら煮汁に戻し入れ、すり潰した玉ねぎ少々、背脂少々、ヴィネガー少々を加えて弱火で煮込む。
ラ・ヴァレーヌのラグゥ(1)
2014/09/24 09:34ラ・ヴァレーヌのラグゥをひとつずつ見ていくことにする。フランス語は現代の綴りにしたが、文法や語彙は原文のまま。注をつけておくので適宜参考にされたい。 16. 山うずらのラグゥ仕立
ラ・ヴァレーヌのラグゥ一覧
2014/09/23 05:4817世紀ラ・ヴァレーヌ『フランス料理の本』には「ラグゥ仕立て」(en ragoût)がとても多い。以下、この本のアントレの章の目次を現代フランス語綴りに直して書き写しておく。
山うずらとちりめんキャベツ
2014/09/21 12:18山うずら perdrix (ペルドリ)…カタカナだと「ペルドロー」と呼ばれることも多いが、perdreau はその年に生まれた若いペルドリのこと。 ペルドリは羽の色で灰色と赤の二種がある。中世から猟鳥として好まれた。
シチューは蒸物?
2014/09/18 23:00画像は仮名垣魯文編『西洋料理通』1872年(明治5年)、下巻、「スチュードポークマツトンビーフウイール 豚綿羊牛肉并に小牛肉の蒸物」のページ。 大意は… 豚肉、羊肉、牛肉および仔牛肉のシチュー
デクリネゾン再び
2014/09/16 22:55以前から気になっていたのだが、このサイトのアクセス解析によると妙に「デクリネゾン」の検索語でのアクセスが多い。ひょっとしたらと Google で確かめてみたら「食べ物の格変化」と題した随分前の投稿がかなり上位に表示されている。たんに「デクリネゾン」という料理用語についてさらっと説明しているだけの、正直なところ面白くもなんともない投稿だ。SEOなどと言って、いかにし
羊肉のラグゥ / アリコ
2014/09/16 08:46(承前)羊肉と蕪の煮込みが19世紀中頃からナヴァランと呼ばれるようになったことについては既に見たとおりだが、その前提としている「羊肉と蕪のラグゥという料理そのものはもっと古くからある」という事実については19世紀前半のカレームのレシピを引用しただけで、それ以上は踏み込まなかった。
ふたつのナヴァラン
2014/09/12 23:00羊肉のラグゥ(煮込み)はこんにち一般にナヴァラン navarinと呼ばれている。この名称の起源については主な説が2つある。 蕪 (navet) が語源。蕪を入れるのが定番だから。 ギリシアの港ピュロスの別名
料理人は(有名)料理人の言うことにしか耳を傾けない
2014/05/05 15:25「シェフという人生が素晴らしい18の理由」という記事が人気らしい. 前のエントリで書いた, ひとが「知りたいと思うことは既に自身がそう望んでいる内容だから、何らかのかたちで既知の事象に過ぎない」ことをうまく利用した好例だろう