ひとは既に知っていることしか理解できないという残念な事実
2014/05/03 14:20ブログのアクセス解析を見ていてちょっと面白い現象を発見、というか確認。先日、続きもののエントリをふたつ 、『ル・ヴィアンディエ』のこととギヨーム・ティレルのブランマンジェというのをアップした。結果は「ギヨーム・ティレルのブランマンジェ」のほうのアクセス数がほぼ倍。
棚の飾りになっているだろうあの訳書のこと
2014/04/24 10:46ちょっとネガティヴな内容なのでぼかして書きます。お察しください。 翻訳の場合、理解できない、意味不明というのは、もちろん読み手があまりに読解力のない場合は仕方ないかも知れませんが、たいていの場合は誤訳です。翻訳者が間違えているんです。
プロの料理人がエスコフィエを読むべき理由
2014/04/23 15:15ヘストン・ブルメンタールがエスコフィエ『料理の手引き』の英訳 (2011年改装版) に寄せた序文から引用 料理人のなかには, クラシックな伝統から逃れたい, エスコフィエのような権威は保守的で時代遅れだからと否定したい誘惑にかられるひともいるだろう
エスコフィエは冷製に冷淡?
2013/09/19 22:51「専門料理」連載「エスコフィエを読む」2013年10月号「ガランティーヌ」の補足記事です. 『ル・ギード・キュリネール』の「冷製」FROID の章(原書pp.697-714)は,今回の「ガランティーヌ」と,次号予告に出ております「パテとテリーヌ」(pp.697-704),「サラダ」(pp.705-714)で構成されています.ガランティーヌとパテとテリーヌを合わせてわずか8ページなんです.ガランティーヌについては,今回右ページに訳出したものと,左ページ上の表だけ.これで全部です.
ルヴェテュとヴォリエール
2013/08/23 11:43「専門料理」連載「エスコフィエを読む」2013年9月号「ロティ(2)」の補足記事です. この数年でしょうか,キュイジニエ諸氏のブログや Facebook で「ペルドロ入荷しました!」といった感じで,羽をむしる前の猟鳥類の写真をよく見かけます.ひと昔前だったら,多くの日本人にとっては「生々し過ぎ」て目をそむけたくなるような印象かも知れません.
ロティスールとは(2)
2013/08/15 00:20「専門料理」連載「エスコフィエを読む」2013年8月号「ロティ(1)」の補足記事です. さて,お待ちかね(?)のロティスールという職業についてです. フランス革命の少し前,ルイ16世の時代にギルドが廃止されるまで,食にかかわる職業は職種ごとに組合があり,法律で取扱品目が限定されていました.言ってみれば独占販売権ですから,互いに利権争いをしていました.ブゥシェ
ロティスールとは(1)
2013/07/24 01:16「専門料理」連載「エスコフィエを読む」2013年8月号「ロティ(1)」の補足記事です. ブリヤ・サヴァランの有名なアフォリズム 誰でもキュイジニエになることは出来るが,ロティールは生まれつきの才能次第だ
ソテとフリカセ
2013/06/05 05:43「専門料理」連載「エスコフィエを読む」2013年6月号「ソテ」の補足記事です. 『ル・ギード・キュリネール』でのソテの定義を確認しておきましょう. 技法としてのソテ(動作)… ソテ鍋に油脂を敷いて,適当な大きさに切った素材を炒めること.
食べ物の格変化
2013/04/27 00:31ちょいと豆知識でも… デクリネゾン déclinaison,ある食材を異なる複数の仕立てで供するアプローチですね.日仏料理協会編『新フランス料理用語辞典』(白水社)では 同じ材料を異なった調理法でつくったものを盛り合わせた料理用表現
ポワレ
2013/04/25 23:31「専門料理」連載「エスコフィエを読む」2013年5月号「ポワレ」の補足記事です. 訳注でも書きましたが,ひょっとしたら『ル・ギード・キュリネール』でもっとも理解しにくい部分かも知れません.こんにち一般的な「ポワレ」の意味,つまり「(魚の切り身などを)フライパンで焼く」とはまったく違います.
青と緑は同じ色?
2013/02/18 21:49日本語で「青信号」とは言うけど実際の色は緑だったりする.どうしてなんでしょうね…? いえ,こういうのを突き詰めて考えようとするとわけがわからなくなっちゃったりします(笑.料理関係のフランス語でもちょっと似たような現象があります.例えば,vert-cuit
香味野菜? 煮汁? — フォン・ド・ブレーズのこと
2013/02/02 18:16「専門料理」連載「エスコフィエを読む」2013年2月号「ブレゼ(2)」の補足記事です. 原文が長く,内容的に途中で切るのが難しいということもあって,編集部のご厚意で特別増ページ,盛り沢山となりましたが,お読みいただけたでしょうか